私がお嬢様をやめる時
「そうよ!好きよ!!
水嶋の事がとっくに好き。
でも、執事を好きになったって
お父様に反対されて終わり。
どうせしちゃいけない恋だから
他の誰かを水嶋以上に好きになって
忘れるしか私にはないの。」

私がずっと隠して来た想い。
認めなかった本気の恋。


「どのみち水嶋は私の事
ただの主としか思ってないわよ。
私がどんなに頑張ったって
笑ってはくれない。

私の気持ちが知れたら
きっと水嶋は執事を辞めちゃう。
そうなるくらいならこのまま隠して
そばにさえいてもらえればいい…」

私の目から
とめどなく涙が溢れて来た。


ずっと気づかないようにしてきた。
水嶋が私の執事として来た日から
あの家の生活に潤いをくれていた。

そりゃいきなりあんなイケメンの
若い男の人が私の身近の世話を
焼いてくれるんだから
寂しい私は当然
好きだと錯覚してしまう。
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