私がお嬢様をやめる時
だけどその代わり
少しちょっかいを出してみたんだって。
さっき私が車で見た
やりとりのような事だと思う。

菜々穂はあの家で
誰にもかまってもらえなかった。
水嶋さんにかまってもらえたことが
嬉しかったんだと思う。

菜々穂は水嶋さんの前だけでは
本当の自分を見せるようになった。

菜々穂は水嶋さんの前では
すごく強気でワガママ。

でもそれって
水嶋さんには何も恐れず
全て見せられるから…

「そんな姿を見ていたら
守りたいと思うようになってしまった。
執事としてではなく男として
菜々穂を守りたいと思った。

でも、それは許されない。

清美ちゃんと米村さんが
そうであるように
俺たちも執事とお嬢様という壁がある。
もしその壁を壊してしまったら
俺は解雇され
菜々穂には
別の執事が与えられてしまう。
それが嫌だった。」


すごく切なそうに話す水嶋さん。
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