私がお嬢様をやめる時
俺はとりあえず
仕事モードのスイッチをオンにする。

菜々穂と呼ばれた女性の正面にまわり

「初めまして。これから
あなたの執事を勤めさせて頂きます
水嶋と申します。
なんなりとお申し付け下さい。」

恭しくお辞儀をする。

菜々穂は一度俺を見た。美人だった。
一瞬驚いた表情をした。

多分、もっと年配の執事を想像
していたんだろう。
だが、すぐにむすっとした顔になり。
何も言わず、リビングから出て行った。

なんなんだあの小娘。

俺だって
好きであんたの執事するわけじゃない。

俺は苛立ちを顔に出さないようにした。
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