先輩と私
それからのバイトは楽しいというか、嬉しいというか、とにかくドキドキがいっぱいで仕方なかった。


あんなに自分から好きな人は作りたくなかったのに。
今では嘘のように恋する乙女だ。





「ゆーちゃん」


突然バイト中に新先輩が話し掛けてきた。

『はい?』

接客は足りているようだったので洗い物をしていた手を止める。


「今日早く帰らなきゃいけないってゆう用事とかある?」


『?…いえ、なんもないですよ?』


「じゃあちょっと帰り寄りたい所あるんだけどいい?」

『あぁ、いいですよ!』


「じゃあまた後でな!」

新先輩はそう言って持ち場に戻った。



行きたい所?って、どこだろ。


疑問に思いながらまた手を動かし始めた。
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