おにぎり屋本舗 うらら
蛇と写真の少女
◇◇◇
「だから、俺じゃないんです!!」
コンビニ強盗事件から一ヶ月後、
取調室では、若い男が必死に無実を訴えていた。
彼の名前は上島。21歳の大学生。
同居の恋人を、自宅で殺害した容疑で取り調べられていた。
容疑者上島は、アリバイがあると主張する。
恋人の木元ゆりえが殺害された昨夜23時頃は、コンビニでアルバイトをしていたと主張した。
彼を取り調べているのは、捜査一課の及川。
この事件の捜査チーム班長だ。
及川は眼鏡のつるを指先で押し上げ、狐のような細い目で容疑者を見た。
「君が主張するアリバイは、残念なことに成立しないのだよ」
上島は驚いた。
立ち上がり、声を大きくして意見した。
「バイト先に聞いてもらえば、すぐに分かります!
本当にその時間は家にいなかったんです!」