おにぎり屋本舗 うらら
及川はイラついて小泉に聞く。
「これが何だと言いたいのですか?」
嫌悪感丸出しの及川を、小泉は全く気にしなかった。
極めて普通の調子で返答する。
「気づかないのか?
店に一台しかない防犯カメラが、レジに向いていない。
おかしいと思わないか?」
及川は眼鏡の奥の細い目を、更に細めて画面を見た。
それから馬鹿にしたように鼻で笑った。
「ハハッ…何を言いたいのかと思えば、くだらないことを…
カメラが菓子陳列棚を映しているのは、
菓子を万引きする子供に悩まされていた…大方そんな理由でしょう」
「俺はそうとは思わない」
小泉はすぐに否定した。
及川は小泉を睨みつける。
心底憎らしいといった目だ。
「勿体振らずにサッサと説明しろ。何を掴んだ?」
及川の口調が崩れたが、小泉はそれも気にしなかった。
淡々と自分の考えを説明し始める。
それはこのような内容だった。