おにぎり屋本舗 うらら
小泉が一時停止した画面の右端には、誰かの上衣の裾少しと、左足のすねから下が映っていた。
菓子棚の前ではなく横を通り過ぎる際に、チラリと映り込んだ…そんな微かな映像だ。
小泉はすぐにその画像を解析に回した。
結果は一時間後に出る。
チラリと映っていた上衣は、コンビニの青白ストライプの制服だった。
不鮮明な画像であったが、彼が履いていた靴の種類とサイズも判明した。
その靴を履いている店員は…上島。
店長田中とアルバイト鈴木の物ではなかった。
これで、犯行時刻に上島が、コンビニでアルバイトをしていたと証明された。
上島が正しいとすると…
嘘を付いていたのは、店長田中と鈴木だ…――――
小泉の説明を聞きながら、及川は顔色が悪くなって行く。
自分が間違いないと思った上島は、犯人ではないのか…
及川は必死に反論を考えていた。
そして、凶器について思い出した。
「そ…そうだ…指紋…
凶器の包丁からは、上島の指紋しか検出されなかった。
これをどう説明するつもりだ!」