おにぎり屋本舗 うらら
 


小泉は隣の部屋に続く引き戸を開けた。

畳敷の六畳間に入る。

寝室として使っているようで、二組の布団が敷きっ放しになっていた。



布団の他には、小さな本棚と、白いタンス。

タンスの上に硝子の花瓶が置かれ、萎れかけた赤い花が生けられていた。



小泉はタンスの前に立つ。

花瓶を端に退け、ジッと壁を見る。



タンスの上の壁には、ポスターと写真が並んで貼られていた。



「おい」



小泉が部下の知本を呼んだ。


知本は小泉の隣に来て、ポスターを見る。



「これは… 宗教画ですね。
何と言う神様でしょう?
自分には分かりませんが…」




その絵には、青黒い肌をした神が描かれていた。


長い髪が頭上で巻かれ、三日月の髪飾りで留めてある。


目が三つ、首に生きた蛇を巻き、片手に三股の鉾(ホコ)を持っている。



小泉は宗教画を見つめたまま、声を落として言った。


「破壊神シバだ」



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