おにぎり屋本舗 うらら
夜が白々と明けていた。
雲の切れ間から、冬の弱い陽射しが差し込む。
雪は止んでいた。
葉を落とした雑木林で、小鳥がピチチとさえずっていた。
脱出した教団信者達は、その場で全員逮捕された。
ある者はパトカーに乗せられ、
傷を抱えた者は、警官と共に救急車に乗せられた。
教団側の死傷者は多数いた。
脱出を拒んで、死を選んだ者もいた。
警察の方も、無傷では済まない。
負傷者30名程に、死亡者は…―――
うららは雪にお尻を付けて、泣き崩れていた。
逮捕もされず、連行もされなかった。
今の彼女は教団関係者ではない。
今回の事件では、巻き込まれた被害者だと、
SMRが捜査本部に強く進言したからであった。
知本が毛布を持って来て、うららの背中にそっと掛けた。
うららはその場から動こうとしなかった。
彼女も、浅い傷を体中に作っていたが、病院に行くことさえ拒んだ。