おにぎり屋本舗 うらら
 


小泉はSMRの部下の知本に、その紙片を預けた。

小泉の背中を見て育った知本は、若いながらに有能だ。

彼は半日で答えを見つけて来た。



それは、4条5丁目にある“アステカ”という名前の商業ビル。


そこの13階には、各種セミナーを開催する株式会社が入っていた。



会社の名前は“renew human company”

直訳すると、人間を新しくする会社。


高須のメモは『4条5丁目、renew human company』という意味だった。




そんな経緯があり、小泉は知本を連れて、その会社の所在地に来ていた。


アステカビルの13階に上る。


エレベーターを降りると、ピカピカに磨かれた廊下が長く伸びていた。



誰もいない廊下に小泉達の靴音が響く。

renew human companyと社名を掲げたドア前で歩を止めた。



小泉は白いドアをノックした。


出て来たのは、中年女性。


彼女は小泉と知本を見て、

「何かご用でしょうか?」
とにこやかに尋ねた。



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