レッスンはアフターで
レッスン3「優しさの見せ方」
「―――それでは、当クラブの今後の発展と繁栄、並びにオーナー、森順一の婚約を祝しまして乾杯をさせて頂きます」
パーティーの主役となって、前方にいる幸せそうな笑顔を見せる親友の綾香を、最後方から眺めていた。
あの最低男の口から出た丁寧でかつ色気を含んだ声が耳をすり抜けていく。
綾香の幸せを見て嬉しく思うのも本当だが、それと同時に醜い感情も心を支配していく。
気にしてないつもりでも、時が経過しても、どうしたって思い出してしまう過去。
私だけなんで……。
あんな惨めな思い早く忘れたいのに。
ぐるぐると渦巻く負の感情をアルコールで抑えこむように、グイッと飲み干した。
「しけたツラしてるな。お前、順一に惚れてたのか?」
空のグラスをスルッと後ろから抜き取られて振り返った。
「うわ、最悪」
いつ、挨拶が終わったのかわからない。そんなにも長い時間考え事をしていたのかと自嘲した。
パーティーの主役となって、前方にいる幸せそうな笑顔を見せる親友の綾香を、最後方から眺めていた。
あの最低男の口から出た丁寧でかつ色気を含んだ声が耳をすり抜けていく。
綾香の幸せを見て嬉しく思うのも本当だが、それと同時に醜い感情も心を支配していく。
気にしてないつもりでも、時が経過しても、どうしたって思い出してしまう過去。
私だけなんで……。
あんな惨めな思い早く忘れたいのに。
ぐるぐると渦巻く負の感情をアルコールで抑えこむように、グイッと飲み干した。
「しけたツラしてるな。お前、順一に惚れてたのか?」
空のグラスをスルッと後ろから抜き取られて振り返った。
「うわ、最悪」
いつ、挨拶が終わったのかわからない。そんなにも長い時間考え事をしていたのかと自嘲した。