レッスンはアフターで
「はぁ!?仕事熱心なこと」


「そりゃ、どーも」


最低男に引っ張られレストランを出て、となりのクラブへと入って行く。


「いい加減、離してよ。逃げないし、」


ちゃんと、会員登録するって!


聞こえているはずなのに、無視。


入会受付が設置されているカウンターを素通りして、更に奥へと引っ張られていく。


『private room』そう書かれている部屋のドアに鍵を差し込み開けた先に投げ入れられるようにして入った。


真っ暗な視界から明るく変わると、肩を抑えこむように強引にソファーに座らされる。


手荒な男。
新たな情報が追加された。


「ほら、もういいぞ!」


「……?」


「暫くアイツは来ない。自由に泣くなり怒るなりしておけば?」


もしかして、この男。私が順一さんに惚れているとまだ思っている?


だから、連れ出して、人目のつかない場所に?


有り得ない。でも、きっと……。
< 15 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop