レッスンはアフターで
全くこの男!相変わらず、最低だ。


「で、これやるの?」


既に話は終わりと切り上げられたら、もう引っ込むしかないじゃない!?敗北感だけ植え付けられて。


「やるってば。ここで、素敵な人に出会うかもしれないし」


会員同士なら、文句はないでしょう?


厭味ったらしい男には、興味ないし。


「そう。じゃあ、まずココね」


操作について、説明が始まった。


真剣に聞きながらも、近い距離とシャワー後なのか、僅かな髮からの香り。


ドキドキしないわけないじゃない!心臓にかなりの付加を与えられた状態だ。


まだ足を動かし始めたばかりだというのに、心拍数があがっている。


どんなに平静を装っても、乱れた心拍数では、漕いでいたペダルもいっこうに重くならない。


「どう?だいぶ重くなってきた?」


意地悪なこと。見てたら分かるだろうに。


「それとも、見かけより年寄りだから軽いままだったり?」
< 30 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop