レッスンはアフターで
あぁ、もう!また、こうしてすぐに言うから、綾香達に誤解されるのに、止められない。


「綾香!女と会話しないって言ってなかった?」


半ばやけくそになって、収まりきらないモヤモヤを綾香にぶつけた。


「そうだ!俺は、女と会話しないしない」


「何であんたがこたえるの!そして何で私とは喋るの!」


「お前が、言ったんだ。コミュニケーションとれと」


ハッとする。私が言ったから努力していたということ!?


もしかして、苦手だったのに、嫌だったのに我慢して話をしているとか?


「どうせ今後もコイツらに付き合わされて顔を合わせなければならないんだ。諦めて腹を括るしかないだろう」


そんな一大決心のようなことを。
この男、いったい女に何をされたんだろうか?女に傷つけられたと綾香が言っていたけど、根が深い気がする。


私なんかと比べ物にならない程の何かが?


そう考えれば、今までの態度も納得がいく。それなのに、パーティーでこっそり連れ出してくれたことやお店の予約などで垣間見える優しさ。柚木の本来の姿を見た気がした。
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