レッスンはアフターで
俺から最も距離を空けて座る女は、冷ややかな目で俺を見ていた。


「え?愛奈、どういうこと!?」


順一の女が焦っている。本来、俺が順一にさせたかった姿をして。


「ん。だって、これは二人のお祝いでしょう?なのに、最低。料理は美味しいから許せるけど、この雰囲気は好きじゃない」


「何が言いたい?はっきり言えよ」


俺はイライラした。この女に自分のテリトリーを犯されそうで。


「そう?じゃあ言わせてもらうね。営業時間過ぎている。予約したということは、無理矢理開けさせたってことですよね? それで、意味深なこと言って、どうしたいわけ?私に、彼女がいるから、諦めろって言いたいの?それとも順一さんに嫌がらせでもしたいの?」


女のまっすぐな目がイライラを増長させる。土足で心の中踏み込んでくるから、苦手だ。


「あぁ、そうだよ。お前は俺を好きにならないと言ったが念のため。順一が勝手に女と会わせたから、まぁ、復讐みたいなもんだ。わざと、嫌いなナス出させたり、質問スルーしたり」
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