レッスンはアフターで
「言いたいことはそれだけ?だったら、お断り!もう二度と私の前に現れないで。もう、義人とは無理」


じゃあと、吉良の顔を見ることもなく、足早にすり抜けようとした。


にも拘らず、ガシッと腕を捕まれて、行く手を阻まれる。


これでは、今日は、もう『SHIN1』に行くのは無理だ。通っているとバレでもしたら入会しかねない。偶然でも会いたくないのに、そんなことされたら会う機会が増えてしまう。


無断で休んで柚木に嫌味を言われるのも嫌だが、それよりも目の前の自己中男に追いかけられるのももっと嫌。


考えれたのは、


「これ、綾香の彼に届けなきゃ綾香に怒られる。綾香の彼にも迷惑になるの。放してよ」


思ったより冷たい声で言うが直ぐ済むような嘘だった。


「じゃあ、待ってる。ご飯行くでしょ」


「行かない。話があるなら、駅までの道で聞く。それ以上は無理」


「まあ、今日は突然だったしな。それでもいいよ」
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