幸せの花が咲く町で
*
「なっちゃん……」
「あ、優一……
具合はどう?」
「うん、ずいぶんましになった。」
「そっか、よかったね。」
ふと見れば、流しも綺麗になっていた。
なっちゃんがするはずもないし、篠宮さんがごはんを食べ終えてから、片付けもして帰ってくれたようだ。
「あ、あんた、お腹すいてる?
香織さんが、おかゆ作っててくれてるよ。」
「え……」
コンロの上には小さな鍋……
あれがおかゆなんだってことはすぐにわかった。
「ちょっと、もらおうかな。
実は、お腹すいてたんだ。」
「あ、良い良い。
今夜は特別に、私が温めてあげよう!」
そう言ってなっちゃんが立ち上がり、おかゆを温めてくれた。
「卵も入れる?」
「うん、そうだね。」
「たまご入れたら、おかゆじゃなくておじやになるんだっけ?」
「……そうだったかな?」
他愛ないことを話しながら、僕は食卓に着いて、おかゆが出てくるのを待った。
いつもなら僕がコンロの前に立って、なっちゃんがこっちだから、なんだか少し新鮮だ。
「はい、お待たせ!
なっちゃんの愛情入りおじやでございます。
特別価格3000万円です。
あ、たまご代50円はサービスしときます。」
わけのわからないことを言うなっちゃんに、僕は思わず失笑する。
優しい味が、お腹の中に流し込まれ、一口ごとに身体が温もっていく。
お椀の中のおじやは、あっという間に空になった。
「おっ、よく食べられました。
えらい、えらい!」
なっちゃんが僕の頭をくしゃくしゃと撫でる。
「なっちゃん!」
僕が睨んでも、なっちゃんは笑ってるだけだった。
その笑顔を見ていると、僕もつい同じように微笑んでしまう。
「明日からはお迎えも行けると思う。」
「そんな無理しないの!
明日、香織さん、お店が休みなんだって。
だから、もう頼んである。」
「え…でも……」
「まぁ、明日一日くらいゆっくりしときなさいって。
病み上がりに無理しちゃだめだよ。
それに、主夫には休みなんてないんだから、休める時には休んどかないと……」
「なっちゃん……」
「あ、優一……
具合はどう?」
「うん、ずいぶんましになった。」
「そっか、よかったね。」
ふと見れば、流しも綺麗になっていた。
なっちゃんがするはずもないし、篠宮さんがごはんを食べ終えてから、片付けもして帰ってくれたようだ。
「あ、あんた、お腹すいてる?
香織さんが、おかゆ作っててくれてるよ。」
「え……」
コンロの上には小さな鍋……
あれがおかゆなんだってことはすぐにわかった。
「ちょっと、もらおうかな。
実は、お腹すいてたんだ。」
「あ、良い良い。
今夜は特別に、私が温めてあげよう!」
そう言ってなっちゃんが立ち上がり、おかゆを温めてくれた。
「卵も入れる?」
「うん、そうだね。」
「たまご入れたら、おかゆじゃなくておじやになるんだっけ?」
「……そうだったかな?」
他愛ないことを話しながら、僕は食卓に着いて、おかゆが出てくるのを待った。
いつもなら僕がコンロの前に立って、なっちゃんがこっちだから、なんだか少し新鮮だ。
「はい、お待たせ!
なっちゃんの愛情入りおじやでございます。
特別価格3000万円です。
あ、たまご代50円はサービスしときます。」
わけのわからないことを言うなっちゃんに、僕は思わず失笑する。
優しい味が、お腹の中に流し込まれ、一口ごとに身体が温もっていく。
お椀の中のおじやは、あっという間に空になった。
「おっ、よく食べられました。
えらい、えらい!」
なっちゃんが僕の頭をくしゃくしゃと撫でる。
「なっちゃん!」
僕が睨んでも、なっちゃんは笑ってるだけだった。
その笑顔を見ていると、僕もつい同じように微笑んでしまう。
「明日からはお迎えも行けると思う。」
「そんな無理しないの!
明日、香織さん、お店が休みなんだって。
だから、もう頼んである。」
「え…でも……」
「まぁ、明日一日くらいゆっくりしときなさいって。
病み上がりに無理しちゃだめだよ。
それに、主夫には休みなんてないんだから、休める時には休んどかないと……」