幸せの花が咲く町で




「なっちゃん、今日はちょっと片付けない?」

「わぁい!ありがとう!
助かるーーー!」



なっちゃんの家に来てから、確かに少し落ち着いた気はした。
身体の不調もずいぶんと緩和され、なっちゃんや小太郎が傍にいるだけで、こんなにも変わるものなのかと自分でも呆れる程だった。
でも、やっぱりまだ外にはあんまり出たくないし、食欲もそれほど変わらない。
夜になると、相変わらず心細さが襲って来て、僕の眠りを妨げる。
ここには、眠る場所はあのベッドしかない。
いくら姉弟だっていったって、どちらもがもう大人となった今、一緒に寝るのはどうも気まずいから、僕は片付けを申し出たんだけど、なっちゃんはまるで手伝う気はなさそうだ。



「邪魔しちゃいけないから、ここにいようね。」

勝手なことを言って、なっちゃんは小太郎と一緒にベッドの上にまたごろんと横になる。
僕は諦めて、寝室を出た。

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