幸せの花が咲く町で
*
「小太郎…ちょっとお花屋さんに寄って行こうな。」
「またお花買うの?」
「今日はお花じゃないよ。」
運の良いことに、花屋の前には、先日まではなかった野菜の苗が置いてあった。
それを買うのを口実に、店に寄ろうと考えた。
「小太郎……これ、知ってるか?」
「ううん、知らない。
……なんか、変なにおいがするね。」
小太郎は、ゴーヤーの苗に鼻を近付けて、渋い顔をした。
「あっ!小太郎ちゃん!」
「おばちゃん!」
篠宮さんはいつもと変わらない笑顔で僕達を迎えてくれた。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「苗が出てたのでちょっと気になって……」
「あ、はい。今日、入ったんですよ。」
どこか少しぎこちないものの、篠宮さんの表情はいつもと変わらないように思えた。
「篠宮さん……昨日は本当に申し訳ありませんでした。」
「い、いえ…私の方こそ……」
そんな一言で済ませられるようなことじゃないことはわかってる。
だけど、それ以上の言葉がなかなか出てこない。
「パパ、どれ買うの?」
「え…あ、そ、そうだな。
うん、ゴーヤーで緑のカーテンを作ろう!
それと、トマトときゅうりと……あ、ピーマンもあるぞ!」
「えーーー……
僕、ピーマン、いらない。」
「好き嫌いはだめだぞ!
あ、小太郎……かご持って来て!」
小太郎が話を逸らしてくれたおかげで、昨日の話はなんとなくうやむやになった。
だめだなと思う反面、どこかほっとして……
僕は両手にいっぱいの苗を持ち、家に戻った。
「小太郎…ちょっとお花屋さんに寄って行こうな。」
「またお花買うの?」
「今日はお花じゃないよ。」
運の良いことに、花屋の前には、先日まではなかった野菜の苗が置いてあった。
それを買うのを口実に、店に寄ろうと考えた。
「小太郎……これ、知ってるか?」
「ううん、知らない。
……なんか、変なにおいがするね。」
小太郎は、ゴーヤーの苗に鼻を近付けて、渋い顔をした。
「あっ!小太郎ちゃん!」
「おばちゃん!」
篠宮さんはいつもと変わらない笑顔で僕達を迎えてくれた。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「苗が出てたのでちょっと気になって……」
「あ、はい。今日、入ったんですよ。」
どこか少しぎこちないものの、篠宮さんの表情はいつもと変わらないように思えた。
「篠宮さん……昨日は本当に申し訳ありませんでした。」
「い、いえ…私の方こそ……」
そんな一言で済ませられるようなことじゃないことはわかってる。
だけど、それ以上の言葉がなかなか出てこない。
「パパ、どれ買うの?」
「え…あ、そ、そうだな。
うん、ゴーヤーで緑のカーテンを作ろう!
それと、トマトときゅうりと……あ、ピーマンもあるぞ!」
「えーーー……
僕、ピーマン、いらない。」
「好き嫌いはだめだぞ!
あ、小太郎……かご持って来て!」
小太郎が話を逸らしてくれたおかげで、昨日の話はなんとなくうやむやになった。
だめだなと思う反面、どこかほっとして……
僕は両手にいっぱいの苗を持ち、家に戻った。