幸せの花が咲く町で
＊



「今の時期は野菜が豊富ですね。」

「そうですね。
魚もけっこう多いですよ。」

篠宮さんは、スーパーの中をあちこち見て回る。



「どうですか？
決まりましたか？」

「やっぱりお野菜を使ったものにしたいです。
特に…じゃがいもなんかどうかと思うんですが、つまらないですか？」

「そんなことないですよ。
じゃがいもは小太郎も大好きですし……」

「あ！僕、じゃがいものグラタン食べたい！」

小太郎が、顔を綻ばせ、大きな声を上げた。



「グラタンかぁ……
篠宮さん、グラタンはお好きですか？」

「はい！大好きです！」

「じゃあ、それにしましょうか。」

「あと、オムライスを教えていただきたいんです。
私、オムライスのたまごの巻き方がうまく出来なくて……」



メイン料理はじゃがいものグラタンに決まった。
意外と簡単な料理だから、花の練習をしてから取り掛かってもそれほど遅くはならないはずだ。
明日使うものと、今夜の分の食材を買い込んで、僕たちは帰宅した。


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