幸せの花が咲く町で
***
「小太郎ちゃん、どれにする?」
「う~ん…あれが良いかな?
でも、こっちのも良いな。」
「パパが来たら、ごはん食べに行くから、あんまり大きいのは食べない方が良いよ。
あ、おばちゃんと半分こにしようか?
そしたら、ごはんも食べられるんじゃない?」
「う~ん…でも~……」
小太郎ちゃんは真剣にショウウィンドウをのぞきながら、どれを食べるか迷っていた。
そんな時、なにげなく視線を向けた店の外に、私は信じられないものを見てしまった。
まるで芸能人並みに華やかなオーラを放つカップルがいて……
離れていても生地のなめらかさがわかる上等なスーツを着込んだイケメン…そして、その男性と腕を組んでいたのは、あろうことか夏美さんだったのだ。
見間違いなんかじゃない。
その女性は、堤さんの家で見かけたとても個性的なサンダルを履いていたもの。
「こ、小太郎ちゃん。
中にメニューがあるから、それ見てじっくり考えよう!」
私は、慌てて小太郎ちゃんを奥の喫茶に押し込んだ。
速くなった鼓動をおさめるために、私は深呼吸を繰り返した。
(大丈夫かしら?
たまたま、堤さんと夏美さんが出会うようなことはないかしら?)
夏美さん達は家具屋の方向から来て、駅の方へ向かってたから、もしかしたらもう会ってしまった?
でも、もしそうならきっと堤さんからなにか連絡があるんじゃないかしら?
「おばちゃん、僕、これにする。
これのプリンとアイス食べるから、おばちゃんはこっちのフルーツを食べて。」
「え…?あ、わ、わかった。
じゃあ、そうしましょう。」
オーダーをして、ひやひやしながら堤さんが来るのを待っていて……
でも、堤さんはなかなか来られなくて……
もしかしたら、夏美さんのことを目撃してしまって、ショックで具合が悪くなられたんじゃ……?
そう考えると、居ても立ってもいられなくて、探しに行こうかとか思いつつ、そんなことをしてまた出会ったらと思うと怖いし、どうしたものかと迷っていたら、そこに堤さんが現れて……
とにかく早く桃田から離れなきゃと、そればかり思って無理に帰って来たけれど……
幸い、堤さんは夏美さんとは会われなかったようだ。
特に変わった様子はなかったから。
体調が悪くなられることもなかったし、それは本当に良かった。
「小太郎ちゃん、どれにする?」
「う~ん…あれが良いかな?
でも、こっちのも良いな。」
「パパが来たら、ごはん食べに行くから、あんまり大きいのは食べない方が良いよ。
あ、おばちゃんと半分こにしようか?
そしたら、ごはんも食べられるんじゃない?」
「う~ん…でも~……」
小太郎ちゃんは真剣にショウウィンドウをのぞきながら、どれを食べるか迷っていた。
そんな時、なにげなく視線を向けた店の外に、私は信じられないものを見てしまった。
まるで芸能人並みに華やかなオーラを放つカップルがいて……
離れていても生地のなめらかさがわかる上等なスーツを着込んだイケメン…そして、その男性と腕を組んでいたのは、あろうことか夏美さんだったのだ。
見間違いなんかじゃない。
その女性は、堤さんの家で見かけたとても個性的なサンダルを履いていたもの。
「こ、小太郎ちゃん。
中にメニューがあるから、それ見てじっくり考えよう!」
私は、慌てて小太郎ちゃんを奥の喫茶に押し込んだ。
速くなった鼓動をおさめるために、私は深呼吸を繰り返した。
(大丈夫かしら?
たまたま、堤さんと夏美さんが出会うようなことはないかしら?)
夏美さん達は家具屋の方向から来て、駅の方へ向かってたから、もしかしたらもう会ってしまった?
でも、もしそうならきっと堤さんからなにか連絡があるんじゃないかしら?
「おばちゃん、僕、これにする。
これのプリンとアイス食べるから、おばちゃんはこっちのフルーツを食べて。」
「え…?あ、わ、わかった。
じゃあ、そうしましょう。」
オーダーをして、ひやひやしながら堤さんが来るのを待っていて……
でも、堤さんはなかなか来られなくて……
もしかしたら、夏美さんのことを目撃してしまって、ショックで具合が悪くなられたんじゃ……?
そう考えると、居ても立ってもいられなくて、探しに行こうかとか思いつつ、そんなことをしてまた出会ったらと思うと怖いし、どうしたものかと迷っていたら、そこに堤さんが現れて……
とにかく早く桃田から離れなきゃと、そればかり思って無理に帰って来たけれど……
幸い、堤さんは夏美さんとは会われなかったようだ。
特に変わった様子はなかったから。
体調が悪くなられることもなかったし、それは本当に良かった。