幸せの花が咲く町で




「あとはこれらを揚げるだけですね。
じゃあ、その前に小太郎を迎えに行って来ます。」



家に戻り、あれこれと料理を作っているうちに、いつの間にか時間は進んでいた。
小太郎を迎えに行こうと考えていると、不意に家の電話が鳴った。



「はい、あ、お世話になってます。
はい、はい……」

電話は翔君のママからだった。



「何かありましたか?」

「翔君のママからでした。
なんでも、小太郎は夕食をご馳走になって来るようで……
本当に困ったもんです。
あいつは本当に遠慮がないっていうのか、なんというのか……」

「子供なんですから仕方ないですよ。」

「まぁ、そうですよね……
じゃあ、そろそろ仕上げましょうか?」



僕達は、揚げ物に取り掛かった。
汗を流しながらてんぷらを揚げて、ようやく夕食の準備が整った。
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