幸せの花が咲く町で
*
(あれ……?)
次の日、いつものようにお店に向かうと、店の前でオーナーの奥さまと翔君のママが何か話されていた。
私は軽く頭を下げ、そのままお店の中へ入って行った。
「岡崎さん、おはようございます。」
「おはよう。
千春さんはまだしゃべってるのか?」
「ええ、お店の前でなにかお話し中でしたよ。」
「忙しい時間に迷惑な話だな。」
「お手伝いします。」
主に仕入れやお花の管理をしている岡崎さんの話のよると、岡崎さんと奥様がここに着いてしばらくした頃、翔君のママが来て、話があると奥様を連れ出したということだった。
「あの人、見覚えあるか?
なんかのクレームなんだろうか?」
「あの方……幼稚園のお迎えによく来られてて、知ってることは知ってるんですが、お花は滅多に買われませんから、クレームではないと思うんですが……」
「そうなのか?
でも、こちらの責任者の方に話したいことがあるっていって、奥さんを連れ出したんだぜ。」
「そうなんですか?
なんでしょうねぇ……
ごくたまにお花を買っていかれることはあるにはありますが、今月は確か一度もないと思いますよ。」
「じゃあ、表に出してる鉢植えかなにかに子供が蹴躓いて怪我でもしたとか…?」
「そんなことがあったら、私が気付かないはずはないと思うんですが……」
岡崎さんとそんな話をしていると、ようやく奥様が戻って来られた。
「奥さん、ずいぶんと長い話でしたね。
何か問題でも…?」
「ううん……たいしたことじゃないの。
ごめんなさいね、忙しい時間に……」
そう言いながら、奥様は、いつもならこの時間にはすべて出来上がってるはずの仏花作りに手を伸ばされた。
(あれ……?)
次の日、いつものようにお店に向かうと、店の前でオーナーの奥さまと翔君のママが何か話されていた。
私は軽く頭を下げ、そのままお店の中へ入って行った。
「岡崎さん、おはようございます。」
「おはよう。
千春さんはまだしゃべってるのか?」
「ええ、お店の前でなにかお話し中でしたよ。」
「忙しい時間に迷惑な話だな。」
「お手伝いします。」
主に仕入れやお花の管理をしている岡崎さんの話のよると、岡崎さんと奥様がここに着いてしばらくした頃、翔君のママが来て、話があると奥様を連れ出したということだった。
「あの人、見覚えあるか?
なんかのクレームなんだろうか?」
「あの方……幼稚園のお迎えによく来られてて、知ってることは知ってるんですが、お花は滅多に買われませんから、クレームではないと思うんですが……」
「そうなのか?
でも、こちらの責任者の方に話したいことがあるっていって、奥さんを連れ出したんだぜ。」
「そうなんですか?
なんでしょうねぇ……
ごくたまにお花を買っていかれることはあるにはありますが、今月は確か一度もないと思いますよ。」
「じゃあ、表に出してる鉢植えかなにかに子供が蹴躓いて怪我でもしたとか…?」
「そんなことがあったら、私が気付かないはずはないと思うんですが……」
岡崎さんとそんな話をしていると、ようやく奥様が戻って来られた。
「奥さん、ずいぶんと長い話でしたね。
何か問題でも…?」
「ううん……たいしたことじゃないの。
ごめんなさいね、忙しい時間に……」
そう言いながら、奥様は、いつもならこの時間にはすべて出来上がってるはずの仏花作りに手を伸ばされた。