幸せの花が咲く町で
*
「こら、待て、小僧~!
捕まえて小太郎鍋にしてやるぞ~!」
物騒なことを言いながら、なっちゃんは大げさな身振りで小太郎を追いかけ、小太郎は甲高い声を上げはしゃぎながら逃げまわる。
僕と二人で来た時には追いかけっこはしない。
小太郎が滑り台やブランコに乗るのを、僕は傍で見ているだけだ。
本当は小太郎も、そんな僕に物足りなさを感じてるのかもしれない。
(今度は追いかけっこでもしてやろう。)
「あ…堤さん……」
そんな僕の物思いを破ったのは、女性の小さな声だった。
「小太郎ちゃーーん!」
翔君が小太郎の所に駆け出し、小太郎も翔君に気付いて走るのをやめて手を振った。
「こんにちは。今日も暑いですね。」
「こんにちは。本当に暑いですね。」
会話はそこで途切れた。
「では……」
気まずかったのか、翔君ママは小太郎達の所へ行き、そこでなっちゃんとなにやら話して、お互いに頭を下げている。
そういえば、二人が顔を合わせたのは初めてかもしれない。
二人はそのままその場で立ち話をしていた。
「あ、小太郎!」
近くに駆けて来た小太郎を呼び止め、僕は伝言した。
用事があるので家に戻ってると、なっちゃんに伝えるように言いつけて、僕は公園を後にした。
特に用事なんてなかったけれど、そこにいても僕にはすることがなかったから。
「こら、待て、小僧~!
捕まえて小太郎鍋にしてやるぞ~!」
物騒なことを言いながら、なっちゃんは大げさな身振りで小太郎を追いかけ、小太郎は甲高い声を上げはしゃぎながら逃げまわる。
僕と二人で来た時には追いかけっこはしない。
小太郎が滑り台やブランコに乗るのを、僕は傍で見ているだけだ。
本当は小太郎も、そんな僕に物足りなさを感じてるのかもしれない。
(今度は追いかけっこでもしてやろう。)
「あ…堤さん……」
そんな僕の物思いを破ったのは、女性の小さな声だった。
「小太郎ちゃーーん!」
翔君が小太郎の所に駆け出し、小太郎も翔君に気付いて走るのをやめて手を振った。
「こんにちは。今日も暑いですね。」
「こんにちは。本当に暑いですね。」
会話はそこで途切れた。
「では……」
気まずかったのか、翔君ママは小太郎達の所へ行き、そこでなっちゃんとなにやら話して、お互いに頭を下げている。
そういえば、二人が顔を合わせたのは初めてかもしれない。
二人はそのままその場で立ち話をしていた。
「あ、小太郎!」
近くに駆けて来た小太郎を呼び止め、僕は伝言した。
用事があるので家に戻ってると、なっちゃんに伝えるように言いつけて、僕は公園を後にした。
特に用事なんてなかったけれど、そこにいても僕にはすることがなかったから。