幸せの花が咲く町で
*
「はい、堤です。」
「優一?夏美だけど……
今ね、小太郎と一緒に翔君のお家にお邪魔してるんだ。
夕飯までには帰るから。」
「そう、わかった。」
なかなか帰って来ないなと思っていたら、なっちゃんと小太郎は、翔君の家に行っていた。
知り合ってすぐに家に遊びに行くなんて、さすがはなっちゃんだと失笑した。
夕飯には帰ると言うことは、その頃までは帰って来ないということ。
テレビにも見飽きた僕は、退屈しのぎに買い物に出かけた。
最近は、小太郎も翔君の家に遊びに行くことがあるから、一人の買い物にもなんとなく慣れて来た。
けれど、ふとした時に、どうしても思い出してしまう……
何か月も前のことを……
あの時、僕の隣には……
(……馬鹿だな。)
僕は頭に浮かんだ篠宮さんの顔を即座に打ち消した。
もう少しで、今よりももっと遠い人になる。
花屋がなくなったら、出会うこともなくなるだろう。
(そうなれば、今よりは楽になれる。)
早くその日が来れば良いと、僕はキリキリ痛む心の中でそう願った。
「はい、堤です。」
「優一?夏美だけど……
今ね、小太郎と一緒に翔君のお家にお邪魔してるんだ。
夕飯までには帰るから。」
「そう、わかった。」
なかなか帰って来ないなと思っていたら、なっちゃんと小太郎は、翔君の家に行っていた。
知り合ってすぐに家に遊びに行くなんて、さすがはなっちゃんだと失笑した。
夕飯には帰ると言うことは、その頃までは帰って来ないということ。
テレビにも見飽きた僕は、退屈しのぎに買い物に出かけた。
最近は、小太郎も翔君の家に遊びに行くことがあるから、一人の買い物にもなんとなく慣れて来た。
けれど、ふとした時に、どうしても思い出してしまう……
何か月も前のことを……
あの時、僕の隣には……
(……馬鹿だな。)
僕は頭に浮かんだ篠宮さんの顔を即座に打ち消した。
もう少しで、今よりももっと遠い人になる。
花屋がなくなったら、出会うこともなくなるだろう。
(そうなれば、今よりは楽になれる。)
早くその日が来れば良いと、僕はキリキリ痛む心の中でそう願った。