幸せの花が咲く町で
◆優一
変化
*
「あぁ、とにかく良かった。
なんだか肩の荷がおりた感じだよ。」
「そうだね。
篠宮さんも許してくれたみたいだし……
うちに来なくなった理由もはっきりしたし。」
「あれ?優一…篠宮さんのお母さんが具合悪いってこと、信じてなかったの?」
「最初は信じてたよ。
でも、なんだか篠宮さんの態度もおかしかったから、何か他の理由でもあるのかなって……」
「ふぅ~ん……」
なんだか、なっちゃんのその短い言葉が少し気になったけど、おそらくそれは僕の思い過ごしだろう。
僕は特には関与していなかったけれど、翔君ママのことを篠宮さんがわかってくれたのは、僕としても嬉しいことだった。
周りの人間関係がぎくしゃくするのは、たとえ直接は関わらなくとも気持ちの良いものではないから。
「それはそうと、なっちゃん……
小太郎に、亮介さんのことは言ったの?」
「まだだよ……
亮介は早く話したいらしいんだけど……」
「小太郎、亮介さんのことを覚えてないよね?」
「うん、全く覚えてない。
亮介は会えば思い出すはずだって言ってるけど、思い出すはずないよ。
亮介を追い出したのは、あの子がまだ赤ん坊の時だもん。」
「……だよね。」
これからも乗り越えなければならない難関は山積みだ。
僕も、これから一人になることを考えると気が重い。
市内とはいえ、小太郎やなっちゃんと離れるのはとても心細い。
でも、そんなことは言えない……言っちゃいけない。
(僕も、いいかげん自立しなきゃ……)
やがて、瞬く間に時は流れた。
「あぁ、とにかく良かった。
なんだか肩の荷がおりた感じだよ。」
「そうだね。
篠宮さんも許してくれたみたいだし……
うちに来なくなった理由もはっきりしたし。」
「あれ?優一…篠宮さんのお母さんが具合悪いってこと、信じてなかったの?」
「最初は信じてたよ。
でも、なんだか篠宮さんの態度もおかしかったから、何か他の理由でもあるのかなって……」
「ふぅ~ん……」
なんだか、なっちゃんのその短い言葉が少し気になったけど、おそらくそれは僕の思い過ごしだろう。
僕は特には関与していなかったけれど、翔君ママのことを篠宮さんがわかってくれたのは、僕としても嬉しいことだった。
周りの人間関係がぎくしゃくするのは、たとえ直接は関わらなくとも気持ちの良いものではないから。
「それはそうと、なっちゃん……
小太郎に、亮介さんのことは言ったの?」
「まだだよ……
亮介は早く話したいらしいんだけど……」
「小太郎、亮介さんのことを覚えてないよね?」
「うん、全く覚えてない。
亮介は会えば思い出すはずだって言ってるけど、思い出すはずないよ。
亮介を追い出したのは、あの子がまだ赤ん坊の時だもん。」
「……だよね。」
これからも乗り越えなければならない難関は山積みだ。
僕も、これから一人になることを考えると気が重い。
市内とはいえ、小太郎やなっちゃんと離れるのはとても心細い。
でも、そんなことは言えない……言っちゃいけない。
(僕も、いいかげん自立しなきゃ……)
やがて、瞬く間に時は流れた。