幸せの花が咲く町で
「あ、それでね。
藤岡さんには、適当に挨拶しといたから。」
「藤岡…さんって?」
「お隣の人。
帰って来る時、たまたま家の前で会って、話しかけられたから……」
「そうなんだ。」
「でね、なんだか、私とあんたのことを夫婦と思ってるみたいだから、適当に合わせといた。」
「そう…えーーーっ!?」
「まぁ、今は個人情報にうるさい時代だし、そんなにいろいろ話す必要もないからね。」
「えーーーっ……良いの、それで?」
「別に問題ないんじゃない?
私は苗字も変わってないし。
それに、私、自分からあんたと夫婦だって言ったわけじゃないよ。
向こうが勝手に勘違いしてて、それに肯定も否定もすることなく、適当に話合わせただけだもん。」
なっちゃんは悪びれた様子もなく、そんなことを言う。
まぁ、小太郎も僕のことはずっと「パパ」って呼んでるし、傍目にはそう見えるかもしれない。
僕だって、小太郎のことは自分の子供みたいに感じてはきてるけど……
なっちゃんは、生まれた時からずっと「堤 夏美」だったんだから、結婚したからって「東谷」にはなりたくないって言い張って、夫婦別姓を望んだ。
だけど、そういうことをすると子供が生まれた時にややこしいからって、亮介さんが折れて、堤の籍に入ってくれたんだ。
だから、なっちゃんは今も変わらず「堤」姓だ。
でも、だからと言って、僕となっちゃんが夫婦だなんて……
本当に、大丈夫なのかな…?
困惑する僕のすぐ傍で……なっちゃんは、もうそんな話題は忘れたかのように、テレビを見て笑ってた。
藤岡さんには、適当に挨拶しといたから。」
「藤岡…さんって?」
「お隣の人。
帰って来る時、たまたま家の前で会って、話しかけられたから……」
「そうなんだ。」
「でね、なんだか、私とあんたのことを夫婦と思ってるみたいだから、適当に合わせといた。」
「そう…えーーーっ!?」
「まぁ、今は個人情報にうるさい時代だし、そんなにいろいろ話す必要もないからね。」
「えーーーっ……良いの、それで?」
「別に問題ないんじゃない?
私は苗字も変わってないし。
それに、私、自分からあんたと夫婦だって言ったわけじゃないよ。
向こうが勝手に勘違いしてて、それに肯定も否定もすることなく、適当に話合わせただけだもん。」
なっちゃんは悪びれた様子もなく、そんなことを言う。
まぁ、小太郎も僕のことはずっと「パパ」って呼んでるし、傍目にはそう見えるかもしれない。
僕だって、小太郎のことは自分の子供みたいに感じてはきてるけど……
なっちゃんは、生まれた時からずっと「堤 夏美」だったんだから、結婚したからって「東谷」にはなりたくないって言い張って、夫婦別姓を望んだ。
だけど、そういうことをすると子供が生まれた時にややこしいからって、亮介さんが折れて、堤の籍に入ってくれたんだ。
だから、なっちゃんは今も変わらず「堤」姓だ。
でも、だからと言って、僕となっちゃんが夫婦だなんて……
本当に、大丈夫なのかな…?
困惑する僕のすぐ傍で……なっちゃんは、もうそんな話題は忘れたかのように、テレビを見て笑ってた。