幸せの花が咲く町で
*
テレビをつけ、ただその前にぼんやりと腰かけて……
目の前を素通りしていくだけの映像が勝手に流れて……
どのくらいの時間が経ったのもわからなかった。
ぼんやりとした僕を我に返してくれたのは、玄関のチャイムの音だった。
「……はい。」
「あ、堤さん!篠宮です。」
「え…?」
篠宮さん親子は夕方、うちに来ることになっていた。
玄関を開けると、外はすでに薄暗く、篠宮さんとその隣には年配の女性が立っていた。
「初めまして。
香織の母です。
この度は大変お世話になります。」
「あ、初めまして。
堤優一です。
こちらこそ、お世話になります。」
身長は母さんと同じくらいか、白髪の混じった髪は短く、篠宮さんにどこか面影は感じるものの、そっくりという程ではなかった。
ふと見ると、門の前にはタクシーが停まっていた。
「あ、荷物があるんですね?」
「はい、そうなんです。」
「じゃあ、早く入れましょう。
あ、お母さんは家の中に入ってて下さい。」
僕はそう言いながら、来客用のスリッパを差し出した。
(あ、スリッパも買ってこなくちゃ……)
そう思いながら、僕はタクシーの所へ向かった。
テレビをつけ、ただその前にぼんやりと腰かけて……
目の前を素通りしていくだけの映像が勝手に流れて……
どのくらいの時間が経ったのもわからなかった。
ぼんやりとした僕を我に返してくれたのは、玄関のチャイムの音だった。
「……はい。」
「あ、堤さん!篠宮です。」
「え…?」
篠宮さん親子は夕方、うちに来ることになっていた。
玄関を開けると、外はすでに薄暗く、篠宮さんとその隣には年配の女性が立っていた。
「初めまして。
香織の母です。
この度は大変お世話になります。」
「あ、初めまして。
堤優一です。
こちらこそ、お世話になります。」
身長は母さんと同じくらいか、白髪の混じった髪は短く、篠宮さんにどこか面影は感じるものの、そっくりという程ではなかった。
ふと見ると、門の前にはタクシーが停まっていた。
「あ、荷物があるんですね?」
「はい、そうなんです。」
「じゃあ、早く入れましょう。
あ、お母さんは家の中に入ってて下さい。」
僕はそう言いながら、来客用のスリッパを差し出した。
(あ、スリッパも買ってこなくちゃ……)
そう思いながら、僕はタクシーの所へ向かった。