幸せの花が咲く町で
次の日から、店に出向いては気になるところを掃除した。
スタッフルームに、必要なものを買い揃えたり、とにかく僕に出来ることはなんだってやった。



篠宮さん親子との暮らしは、順調すぎる程順調だった。
他人とこれほど気兼ねなく暮らせるとは、自分でも不思議なくらいだ。
お母さんは、簡単な家事はすると言って下さったので、遠慮なくお願いすることにした。
忙しい時期にはとても助かる。



なっちゃん達もそれなりにうまくやってるらしく、毎日、夜遅くに短いメールが来るだけだった。
小太郎のことは気になっていたものの、日々の忙しさがそれを考え込まないで済ませてくれた。



気が付けば、あれからもう一月近い日が流れていて……

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