幸せの花が咲く町で
そんなある日、僕はようやく自分の体調不良の意味を悟った。



(そうだ……僕は罰を受けてるんだ。
父さんと母さんを殺してしまった、その罰を受けてるんだ……)



僕はその時、このまま自分は死んでしまうんだと思った。
そう思うと怖くて心細くてどうしようもない不安に襲われ、夜中だということも構わずになっちゃんに電話をかけた。



「……はい。」

眠そうなかすれた声が聞こえた。



「なっちゃん……僕、優一だけど……」

「何なのよ、こんな夜中に!」

「僕、わかったんだ。
僕は母さん達を殺した罪で死ぬんだ……」

「……優一、あんた、何言ってんの?」

「僕は死ななきゃいけないんだ……
僕が母さん達を殺したんだから!」

大きな声を出したせいか、電話は切れていた。
少し経ってからもう一度かけてみたけど、なっちゃんは電話に出てくれなかった。
なっちゃんにも見捨てられた……
僕はスマホを壁に投げつけた。
急に涙がこみ上げ、僕はベッドの上で子供のように泣きだした。
いつものようなじめじめした涙じゃなくて、その時は感情がこみ上げて僕にはもう止められないような状況で……
不安でたまらず、自分を自分で保てなくなっていた。



誰か、助けて…!



そんな時、けたたましいサイレンの音がして、窓の外に赤い光が点滅しているのが見えた。
さらに、数人の足音がして、チャイムの音と共に、激しく扉を叩く音…そして、なっちゃんの大きな声が聞こえた。



「優一!開けなさい!
開けないと、ドアを蹴破るわよ!!
優一!!」



何がなんだかわからないまま僕が扉を開けると、そこにはパジャマ姿のなっちゃんと心配そうな顔をした二人のおまわりさんがいて……



「優一~~!」



突然、なっちゃんに抱きしめられて、僕はびっくりしたのとその暖かさに一瞬止まってた涙がまたこみ上げてきて……
姉弟で、抱き合って顔がぐしゃぐしゃになるほど、僕達は泣きじゃくった。
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