獣系男子×子羊ちゃん
集合場所にいくと、

モモと同じセーラー服姿の女たちが
仲間と盛り上がっているのが見えた。


「めんどくせぇ…」


思わずつぶやく。



「蒼介、おそかったじゃん。
とりあえずみんなでカラオケ行こうぜ。
一樹、向こうで待ってるから」



輪の中心にいた洋二が
こっちに向かって歩いてくる。



「ってか、なにこれ?
女がくるなんて聞いてないけど?」



「えっ?言ってなかったっけ?
ま、いいじゃん。
聖マリアの2年、
みんな、めちゃくちゃかわいくね?」


洋二がいつもの軽いノリで答える。


「ってか、俺いいや。帰る。」


それだけ伝えて駅に向かおうとすると
女の一人に腕をつかまれた。


「せっかくだから
一緒に行きましょうよ。」


上目遣いにそう言われて
ベタベタと触られてうんざりする。


「悪い、今日は帰る。」


そう言ってその場を離れようとすると、
さっとメモ書きされたメールアドレスを
渡された。


「すげぇ慣れてんのな。
いらねぇって、こんなもん」


冷たく一瞥してアドレスを突き返し、
相手の顔も見ないで駅に向かった。


途中、ふっと
モモにメールしてみようかと
思ったものの

メールする理由がなかった。



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