獣系男子×子羊ちゃん
蒼介さんが喜んでくれて嬉しいけど、

けど………



お皿の上でほんのちょっとだけ
ガーゼにからみついて
残ってるチーズケーキを
じっと見つめる。




「…え?どうした、モモ?

ああっ!これか?!」




蒼介さんが
ほとんど残っていない
チーズケーキのお皿に気づく。



「…悪かったって…食い過ぎたよ。

そんな顔すんなよ、モモ。
なんか、もう一つ頼めよ。

同じものでもいいし
別のものでもいいし、

好きなもん頼めよ」



「いいよ…
そんなに食べきれないもん」



「そんな泣きそうな顔すんなよ。
たかだかケーキくらいで…。」



「………」



「悪かったって!
じゃ、お前が食べ切れなかったら
俺が責任もって食ってやるから。

それでいいか?」



「ん。」



気を取り直してメニューを開き
もうひとつデザートを注文した。



それからしばらくして、

目の前に運ばれてきた

「嵐山」となづけられたパフェをみて、

蒼介さんが固まっている。


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