エンビィ 【完】
あのクリスマスパーティから、あたしがパーティへ顔を出す頻度は減った。
年が明けてからは、
ピンクベージュの髪をダークブラウンに戻した。
勿論あれから、伊織にも、ユキノにも会ってない。
あの期間の感情は、鮮明に残響を残しているというのに、あたしの中のナニかが変化して、あたしの中から燃えたきるドロドロとした黒い塊が、すとんといなくなった。
それは晴天のように、決して清々しいものではない。
どこか禍根の足跡をつけて、
すとんと、ホントにすとんと、心から消滅した。
敵視する感情は、残っている。
どうやって堕としてやろうかと、考えたりもする。
今でも憎いのは変わらない。けれど、それはもう、感情を爆発させるようなものじゃない。
諦めとも違う。
ただ、上手く言えないけど…、水面を緩やかに滑ってゆく風のように、静かなの。