エンビィ 【完】
「………ねえ」
ふふふふ
と、楽し気にするユキノに確信した。
あたしには今の情報だけでは答えを得られないけど、ユキノは自分の周りにいる人たちを友達と見れない、その最大の原因にたどり着いている。
だからこの話はもう終わり。
どうしてユキノがこんな一面をあたしに見せたかのは、
定かではないけど――。
「あなたを初めて見たとき、人形みたいで驚いたわ」
「ええ、よく言われますわ」
伏せ目がちに頷くユキノは、謙虚という言葉を知らない。
「しかもあなたときたら、容姿だけじゃなくて家柄までもいいんだもの」
「厄介な家で困りますのよ」
ここで爆発しないあたしは、やはり以前と心持ちが違うことを実感した。