エンビィ 【完】
許せない。
許せない。
棺桶の中いるなんて―――そんなの許せるわけない。
ふざけないでよ……なにが“売られた喧嘩は丁重にもてなすのが私のモットーですの”よ……っ、
ならあたしからの挑戦を受け止めてよ。
まだ始まった……いや始まってすらいないのに……
なにしてんのよっ…。
病気…?
持病…?
そんなの…、
「――――オイ!アイツ出せよ!」
突然に。
夕焼け空を切り裂くような怒声が木霊した。
まわりが騒めく。
色んな方向に向けられていたベクトルが一点に集まっていく。
そこからチラリと見え隠れした、
目立つ色に。
あたしは息がつまった。