エンビィ 【完】
シャンデリアが輝く下。あたしは父と挨拶まわりをする。父は自慢げにあたしを紹介していく。
「どなたが主催なさってるの?」
父が連れてきたクリスマスパーティは、毎年行っている人が主催しているものじゃなかった。その人のところに出席するのが恒例だったから、会場にいる人を見て戸惑う。
知り合いの顔が…ないに等しい。参加者の3の2が外国人だ。
色んな国の言葉が飛び交っている。
どういった…人たちの集まりなのかしら…?
「言ってなかったかい?」顎を撫でつけて、会場を見回す父は、主催者を探しているようだったけど、見つからなかったらしく、少し小さめの声で教えてくれた。
「主催者は、領能寺家だ」
―――――領能寺…?
って、…あのりょう、のうじ…?