もう一度その名を呼んで

チャンリョン様は何処から聞いたかは知らないけれど、ある時自分に弟がいる事を知った。その日からあらゆる手法を使って捜したそうだけど、未だソウンが腹違いの弟だとは気付いていない。

ソウン自身が名乗り出る事を拒み、自分が弟だと分からないように証拠を隠してくれと頼まれたからだ。

私はチャンリョン様が必死になって捜しているのを知っているのに、いくらソウンの頼みで隠していたとしても、私がソウンとチャンリョン様に犯した罪は一生消える事は無い。


『(ソウン・・・ごめんなさい・・・。)』


兄を兄とは呼べず、

弟と名乗れず、

ただ、部下として傍にいるだけ・・・。



もう少し・・・もう少しだけ待っててね。

貴方をチャンリョン様の弟だと名乗らてあげられる事が出来そうだから。

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