もう一度その名を呼んで
二.期間限定で
まだ寒さが残る三月の上旬。
私の住んでいる屋敷では朝から大忙しだった。
『叔父上!巳の刻(午前9時~午前11時)から会議が始まるとあれ程言ったではありませんか!』
「悪い悪い。」
卯の刻(午前5時~午前7時)を四刻(一刻は今で言う15分)程過ぎてまだ時間があるとはいえ、会議が始まる前に大事な用事がある。
来月新たな禁軍別将として王様とこの国を支える人となるのに、叔父上ったらぎりぎりの時間帯に起きるんだから!
『食事は既に用意させてありますがゆっくりと食べている暇はありません。食後は直ぐにこれに着替えて頂きます。それとチャンリョン様が辰の刻(午前7時~午前9時)に御挨拶に見られるそうです。それまでに全てを終わらして下さい。』
既にいない叔母上の代わりとして、私がこの屋敷の女主人としてしっかりとやっていかなければならない。
世間はそうやって私を見るから。