もう一度その名を呼んで
私はハン内禁衛将の姪として、数年前から期間限定でこの広い屋敷で暮らしている。
時々叔父上の面倒を見たり、王様を訪ねに宮廷に行ったり。
時間がある時には本を読んだりして過ごしている。
地方にいた頃は野山を駆け巡ったり、馬を乗り回したりしていたけれど、都に来てからは中々そういう事をする機会を得られなかった。
まぁ内禁衛将の姪とあろう者が男のような行動をしていたら、あらぬ噂が立ちかねないからね。
「そうだ、今日からよろしく頼んだぞ。」
『はい?』
「言って無かったか? 今日から来月行われる任命式の日までチャンリョンをこの屋敷に住まわすと。」
チャンリョン様を、
この屋敷に住まわす・・・?! 聞いてないよ!?
『叔父上、それはどういう事ですか?!』
確かにこの屋敷は無駄に広いし、部屋も有り余ってるから間借りとして一人二人くらい増えたって負担にはならないけど・・・。