恋ってもんじゃない。
ニコニコと明るくしている先輩を見れば無理をしていることは直ぐに分かった。
早く廊下を通りたいんだなーとはお察しできる。
(可哀想に・・・・)
イケメンの宿命だ、と心の中で元気づけているといつの間にか那美が先輩のところまで行っていた。
きっとああいう顔が好みでああいう性格がタイプなんだろう。
そう思ってカフェオレをまた飲む。
もう半分しか無かった。
「先輩!」
「どうしてこっちに来たんですか?」
「誰かに用なら私が!」
ほとんど女子だが男子もちらほらと見える。
どちらにも人気なんだろうなーと思った。
相原先輩。
確か普通の家なんだけど家族全員美形と聞いたことがある。
性格も良くて、顔も良い。
勉強も出来て弓道部所属・・・だった気がする。
アイドルは興味が無くても耳に入ってくるものだ。
正直見てても疲れるが聞いてても疲れるようになってきた。
「ごめんね。」
先輩の優しい声が聞こえた。
私には困っている声にしか聞こえなかったが。