たしかに恋をして、愛し合っていたはずだった。なのに、いつの間にか一方通行。いつの間にか終わっていた、永遠。
どこにでもある恋の終わり。きっと誰もが経験してきたし、あるいは、これから経験することでしょう。
そんなたったひとつに心を痛められる彼は、なんて繊細な、やさしい生き物なんだろうと思いました。そんな彼に惹かれた彼女の気持ちが、全身を貫いて、わたしも一緒に痛かった。
日常のなかに突然現れる“さよなら”を、鋭く、それでいてやさしく抜き取った作品です。どうか彼のやさしさが、皆様にも伝わりますように。