黒猫は闇夜を生きる
「……」




杏はその素晴らしい演技で告白をしてた。



「圭くん?」



見事である。



「無理だ…」



「なっんで?」



もう、落ちたと思っていたらしい。



「俺はお前を_____から自由にできない」



肝心のところは偶然開いていた窓の風で聞こえなかった。が、杏を動揺させるには十分だった。彼女はゆかになだれ落ちるように座った。



それは、とある学校の放課後に起った事だった。
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