あじさい~揺れる想い~
家までの道のりをどうやって帰ったのかもわからないくらい必死に走った。
馴れない下駄のせいで、親指と人差し指の間の皮膚がめくれて血が滲んでした。
私・・・いったい何をしてるんやろう・・・。
こんなこと浩平に言えないし・・・。
私は自分の部屋のベッドに横になると、大きなため息をつき、溢れてくる涙を拭っていた。
朝起きると、浩平から着信があったことに気づいた。
私が電話に出なかったからかメールも来ていた。
『ゆかり、今日はごめんね。
夏休みには、絶対に花火を見に行こうね。』
このメールに私は返信することはできなかった。