ヴァイオリンとフルート
 帰ってきた梨恵は言った。

「じゃ、何処で食べる?」

「校舎でいいんじゃないのかな?」

「いや、優奈やっぱ屋上だろう。」

「夕闇さんは何処がいい?」

 急に自分に問い掛けられたので、涙菜の肩は大きく跳ねた。

「夕闇さん?」

「うん・・・お、屋・・・上、でいいよ・・・」

「じゃ、屋上で決まりー!!いいよな優奈?」

「まぁ、涙菜も田仲も言ってるし、けど天本さんは?」

「私は別にいいよ」

「な?な?だから屋上でいいだろ?もう俺腹へってしかたねぇんだけどー」

 田仲はお母さんにだだをこねるような目で優奈に言った。

「・・・分かったよ・・・屋上でいいよ。」

「やっりー!!」

「田仲君嬉しそうだね。」

「田仲は高いところが好きなんだよ。」

「そうなんですか?」

「うん、よく屋上で食べてるよ。」

「・・・」

 と、言いながら一同は屋上へと歩いていった。
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