ヴァイオリンとフルート
 涙菜達は下校していた。
 四人の家の方角は幸い同じ方向をしていた。
 優奈と田仲の家は隣同士で、涙菜と梨恵の家は向かいだった。
 涙菜は、心の中でとても喜んでいた。彼女はポーカーフェイスで表情を外に出すことはそうなかった。だから、今まで色々と誤解されてきた。彼女は決して消えなさそうな鋭い眼差しを持っていた。だから人から凄く避けられていた。
 そんな彼女が、一日で四人も友達が出来た。それが何よりも嬉しかった。
 そんな彼女は、梨恵と田仲に人見知りをしなくなっていた。
 不意に梨恵が話した。

「夕闇さん、優奈君とは何処で知り合ったの?」

「あっ、そう言えば俺もそれ聞きたかった。夕闇は昨日この街にきたばかりなんだろ?」

「うん・・・昨日、初めて優奈のあったんだよ。」

「そして僕ら友達になったんだ。」

「へぇ~」

「そうだったの。」

 涙菜達は、楽しそうに下校していった。
 
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