ヴァイオリンとフルート
「天本さん、僕のことも呼び付けでいいよ。」

「じゃぁ、夜光?」

「えっ・・・」

 何か変な感じになった。
 そして、涙菜は切り出した。

「り、梨恵、それはちょっと・・・。」

「べっつにいいんじゃねーの?なっ、優奈。」

「・・・それでいいよ。じゃ、僕は天本でいい?」

「そうね、私も苗字で呼んでるし。それでいいわ!」

「あのー早く行かないと・・・遅刻するけど・・・。」

「「「あっ・・・」」」

 涙菜のその言葉に、乾いた声を出して三人は暫く固まった。

「み、皆!?皆!!!」

 涙菜の声で一番早く復活したのは優奈だった。

「おい!!・・・田仲!天本!!動け、固まっていたら遅刻するぞ!!」

 優奈の大声で復活した天本と田仲に涙菜と優奈が言った。


「「早く!!」」

 そして、四人は駆け出した。
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