ヴァイオリンとフルート
 渋々、涙菜は公園に入った。だが、優奈の元まで行こうとはしなかった。

「“何してるの!?早く行きなさい!!”」

「で、でも、・・・」

「“貴女は何の為に此処にきたの!?彼に何かを伝える為でしょ!!”」

「優奈に・・・伝える。」

「“伝えてきなさい。大丈夫、私が保証する”」

 美由は優しい言葉を放った。その瞬間優奈が涙菜に気付いたらしく・・・

「涙菜!!」

「!!」

「“ほら、行ってきなさい。大丈夫だから・・・”」

 涙菜が小さく頷くと美由は消えた。
 涙菜の不安は消えた。そして、彼を呼んだ。

「優奈!!」

「着てくれたんだ。」

「優奈遅くなって御免ね。」

「ううん、大丈夫だよ。そんな事より君が着てくれて嬉しいよ。」
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