ヴァイオリンとフルート
「・・・優奈」

「何?」

「これ貰った時から気になってたんだけど、このフルートの値段は?」

「あぁ、それそれは確か・・・」

「さっき店でフルートの値段見たら30万・・だったんだけど?」

「うん、並みのフルートはでも、その位はするね。確かそれは50万だったと思うよ。」

 涙菜はその言葉に目を見開いて自分の手の中にあるフルートを見た。完全に青ざめていた。

「大丈夫?!涙菜!!」

「ゆ、優奈こ、これそんなに、するの・・・?」

「うん。でも安い方だよ。」

「こ、これ・・・」

 涙菜は混乱しすぎて中々舌が回らなかった。でも、優奈は涙菜が言いたい事がわかったみたいで・・・

「いいよ、それは君にあげたんだよ。だからもう君の」

「ほ、ほんとに、い、いいの??!」

「うん、持っていてね。」

「う、うん、大切にする。」

 涙菜と優奈は微笑みあった。涙菜の混乱が解けて涙菜はふと、時間を見た。
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