ヴァイオリンとフルート
「私はね、一人っ子なの。それは分かるよね?」

「うん。」

「そして、小さい頃から、一人だった。友達は少しいたよ。でも、見えない友達の方が多かった。」

「如何言う事?」

「・・・優奈信じてくれる?」

「君が嘘を吐くなんて僕は思わない。」

「・・・私ね、幽霊が見えるの。」

「やっぱりそうだったんだ。」

「えっ?じゃ、優奈にも見えるの?」

「ううん、見えないよ。でも、涙菜の行動や反応を見ててそんな感じがしてたんだ。」

「・・・」

「続き話して?」

「幽霊が何時も私の近くにいた。彼等は私の周りに沢山いた。その幽霊達に向かって話し掛けてたから、周りから気味悪がられて友達が少なかったんだ。」

「淋しかった?」

「うん、とっても淋しかった。」

「今は?」

「充実してる。」

「良かった。」

「優奈たちのお陰でね。」

「ははは。まだある?」

「うん。」

「じゃ、話して?」

「わかった。」
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