・約束

既に会議室には重役の方々、部長、そして美央と雅也、2人のマネージャーが揃っている。

「小田、こちらへ」


「はい」


「えー今回、商品のPR・CMを担当いたします、小田春夏です」

部長の横で、雅也と美央に紹介される。



「…小田春夏です。宜しくお願い致します」

一礼して、視線を戻すと目の前にはソファに座っている雅也の姿が飛び込んできた。

オシャレなスーツにセンスの良いネクタイ。
決め過ぎずに手入れされた髪。
そこに居る雅也は、芸能人大木雅也だ。



雅也は私を見て…一瞬、目を丸くして凄く驚いた表情をしたが、
即座に表情を元に戻し挨拶をする。

「大木…雅也です」



「美央です♪宜しくお願いします」



「‘初めまして’今回、ご一緒出来て光栄です。
 素敵なCMにしたいと考えていますので、よろしくお願いいたします」

私は、表情ひとつ変えずに、その場を乗り切った。




滞りなく、初打ち合わせは終了する。

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